13期生

2008年卒業/2010年修了

<出品歴>

2008年

第7回高知国際版画トリエンナーレ展 (いの町紙の博物館・高知)
第4回山本鼎版画大賞展 (山本鼎記念館・長野)
第2回バンコクトリエンナーレ国際版画絵画展 (シルパコーン大. 学・タイ)

2012年

ピュシス・萌芽する版画家たち(養清堂画廊・東京)※以降2020年を除き毎年出品

2014年

第 82 回版画展 (東京都美術館・東京)※以降2020年を除き毎年出品

2015年


アワガミ国際ミニプリント展(阿波和紙伝統工芸会館・徳島)
3Expressions 東北の蕾 ピュシスより(養清堂画廊・東京)
FINE ART / UNIVERSITY SELECTION 2015-2016(つくば美術館/:文化庁、筑波大学)

2016年

Una finestra su Tokyo (ベッリーニ美術館・イタリア)
版画選抜展 (銀座スルガ台画廊・東京)

2018年

TOHOKU CALLING SMALL WORKS(オリエアートギャラリー・東京)

2019年
ピュシスウエスト5人展2019萌えいづる版画家たち(ワイアートギャラリー・大阪)


<受賞歴>

2010年

SOAT「僕らのベストアートコンテスト」(TBC ハウジングステーション・宮城 ) SOAT 賞受賞


<個展>

2014年

「これまで、ここから」(自由が丘もみの木画廊・東京)

2016年

「gene.」(自由が丘もみの木画廊・東京)

2017年

佐藤賀奈子個展(ギャラリー檜・東京)

2018年

「春の匂い」(SAN-AI GALLERY・東京)

2019年

「switching」(ギャラリー檜e・東京)

  

<美術的活動歴>

2010年

阿佐ヶ谷美術専門学校 研究科助手

2013年〜
現在

阿佐ヶ谷美術専門学校 版画工房管理者、銅版画講師

2014年〜
現在

日本版画協会 準会員

2016年

シルクスクリーンワークショップ(MISOJI MATSURI)



■就業活動歴

学校法人阿佐ヶ谷学園 阿佐ヶ谷美術専門学校

契約社員

転職の経歴無し



コメント

「版画で学んだことが実社会で活かされたと感じることは何か」と問われた時、私にとっては全てが現在に活かされていると感じます。

私は大学院修了後、デザイン美術の専門学校で働き始めました。そこには版画工房があり、現在は版画工房管理者として銅版画の授業を担当しています。

銅版画の授業をする時、必要な技術は大学の版画室で学んだことが大半です。銅版画の細かな技術、作品と向き合う際の姿勢、工房を使用する際の心得なども、学生時代に身に付けました。


学生時代を振り返ると、技術的なことだけでなく、共有スペースである版画室の使い方についてもたくさんご指導頂いたように思います。版画室が汚れていたり備品の補充が疎かになっていたりした時、率先して動く。「気づかないふり」をせず、気づいた時に行動する。

また「後に使う人が嫌な思いをしないように。自分が使う前よりもきれいにする。」という意識も教わりました。複数人で共有する場所や設備は、自分だけでなく他の人も気持ちよく使えなければなりません。

これらは、現在でも仕事や日常生活に生かされています。職場である版画工房を整備・整理整頓して、工房を使用する学生がストレスなく制作ができるようにしています。そして、学生にもこの意識を持つように指導しています。

また、日常生活でも「あとでやればいっか」と、出来ることを後回しにすることが減りました。


私が版画制作を行う上で欠かせないことに「逆算してスケジュールを組み立てる」ということがあります。銅版画は、様々な工程を順序よく行うことで作品がつくられていきます。

いきなり銅版にエッチングをすることはできず、裏止めシール貼り・研磨・グランド塗布などの下準備が欠かせません。版が完成しても、刷る紙を程よく湿らせておかないと刷れません。重ね刷りをする時は、最初に刷ったインクが乾く時間も考えておかなければなりません。

このように、作品を完成させるためには計画を立てることが必要です。この計画が甘かったり予定がずれ込んでいくと、締め切りに間に合わなくなってしまいます。私は多色多版刷りをするので、この逆算での計画が欠かせません。計画を練りながら頭の中を整理しています。大学で銅版画制作を始めてから、少しずつ計画性を身に付けることができました。

職場でも、締め切りのある仕事が複数重なっている時など、「逆算して計画を立てる」ということはとても役立っています。計画を立てていると自ずと思考も整理でき、スムーズに動くことができます。


制作をする際「偶然や失敗も糧にする」という考え方が私の根底にあります。これは、銅版画ならではの作業工程が関係していると思います。

銅版画には腐食という工程があります。あらゆる技法を施した版を腐食液に委ね、刻んでいきます。この工程は版を手から離さなくてはならず、自分の範疇を超えることが起こり得ます。腐食時間を計算していても、思ったように腐食されない、腐食されすぎる、偶然版の表面に付いた気泡が模様となって出てくる…など。

そんな時、「イメージしていた物と違う!もうダメだ!」と投げ出すのではなく、それをどう生かすのかを柔軟に考えます。

一つの失敗にとらわれず広い視野で考えること。刷り方を変えるだけで、失敗したと思っていた版が見違えるようになることがあります。

この考え方は、社会生活においても私自身を助けてくれます。ミスや失敗をした時、落ち込んでばかりいないで気持ちをうまく切り替える。何かイレギュラーな事態に直面した時、色々な方向からどう軌道修正をするかを冷静に考える。銅版画制作をしていたおかげで身についたことだと思います。


このように学生時代の自分と現在の自分を比べてみると、大学時代に培ったもので今の私が成り立っているな、と改めて実感します。芸工大で版画に出会えたこと、若月先生の元で学べたことは私にとってとても幸運でした。これからどんな環境に身を置くことになっても、版画制作を続けていきたいです。




1 calm エッチング、アクアチント 18×24cm 2013年



2 帰り道 エッチング、アクアチント 18×18cm 2013年



3 定められたもの エッチング、アクアチント 60.5×45cm 2014年



4 郷愁-静- エッチング、アクアチント 60.5×45cm 2014年



5 郷愁-芽生え- エッチング、アクアチント 60.5×45cm 2014
年



6 郷愁-添- エッチング・アクアチント 60.5×45cm 2014年



7 郷愁-残映- エッチング・アクアチント 60.5×45cm 2016年



8 焦がれる エッチング、アクアチント 17×17cm 2014年



9 受け継ぐもの エッチング、アクアチント 24×18cm 2015年


10 脈 エッチング、アクアチント 22×59cm 2016年


11 流れゆく エッチング、アクアチント 22×59cm  2017年



12 stillness-alone- エッチング、アクアチント 18×24cm 2018年



13 春の匂い エッチング、アクアチント 12×12cm 2018年



14 twilight エッチング、アクアチント 24×35cm 2018年



15 switching エッチング、アクアチント、ディープエッチング 各10×10cm 2019年



16 気配 エッチング・アクアチント50×50cm 2019年



17 twilight-stillness- ディープエッチング、アクアチント 17×17cm 2019年



18 twilight-invigorate- ディープエッチング、アクアチント 17×17cm 2019年



19 recollect-rain- ディープエッチング、アクアチント 11×11cm 2019年



20 recollect-spark- ディープエッチング、アクアチント 11×11cm 2020年

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