2005年卒業
■就業活動歴
コメント
卒業後はいくつかの職業を経験し、昔から関心のあった学校教育の道に進む事になりました。現在、中学校で教員として勤めさせていただいております。様々な教育活動の中で美術を教える事が主軸となっています。日々の業務に追われて、大学で学んできた事を振り返る事があまり無くなっていました。
しかし、今回この「版画の学び」アンケートが「大学での版画の経験が生かされている所はなんだろう?」と考える良い機会になりました。
銅版画の初めての演習で直接的な描写による表現と、間接的な表現との融合の面白さに惹かれて胸が躍った事を今でも覚えています。その時、若月先生から頂いた言葉も、私の中で大切な物になっています。(何を言われたかは大事な秘密デス。)良くも悪くも版で見た時と刷った時のギャップや、刷り上がった後のもっとここをこうしたい、腐食の深さはこの位かな?などと、作っていく過程が何より楽しかった事も、鮮明に蘇ってきました。
思えば、美術教師として教壇に立ってから私が大切にしてきた事がまさに、この「作る過程」です。美術は完成作品が残るので、上手く描けない作れないと思って苦手意識を抱いてしまう生徒がいます。しかし、どの課題であっても自分の表現したい物にむかって作る楽しさや、自分で作り上げた達成感、時には偶然が作り出す美しさと面白さ。これらを、味わってもらいたいと常に思って授業(制作)をしています。どれほどの生徒にそれが伝わっているか分かりませんが、これからもこの軸を大切に頑張りたいと思います。
大学で版画を学んだ事が、いつの間にか自分の教師としての軸になっている事に改めて気づく事が出来ました。この機会を与えて頂きありがとうございます。
最後に、若月先生へ。
20年間、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。